吹奏楽部や管弦楽部で初めてコントラバスを担当するようになった時・・・

最初は運指表を見ながら練習することになりますよね?

教本を買うとはじめの方にある、楽譜(音)と指を対応させた一覧表、もしかしたら顧問の先生や先輩から運指表だけのコピーをもらったりするかもしれません。

 

実はこの「運指表」という物の見方を理解しないで練習を進めている状態を良く見るのです。

結論を言ってしまうと、弦楽器(特にコントラバス)は運指表をもらった(渡した)だけでは上達しません!

 

管楽器の運指表と弦楽器の運指表は全く違うものです。

  ・管楽器の運指表→それぞれの音に対応した指使いが書いてある。

  ・弦楽器の運指表→左手のポジションごとに「そのポジションに左手がある時に押さえる(押さえられる)音」が書いてある。

 

例えば音楽の授業で使うリコーダー。

「この指使いだと『ド』の音が出る」

「こっちの指使いだと『ラ』の音が出る」

と、基本的には一つの音に対して指の形も一つですよね?

これはフルート、クラリネット、サックスなどの木管楽器も一緒です。 ※替え指も有りますが、初心者ではほとんど替え指は使わないでしょう。

「音=指」なので、楽譜と運指表を対応させて練習すれば良く、個人練習だけでも頑張り次第で早く上達することも可能です。僕が中学~高校でコントラバスと並行してサックスを吹いていた経験からも、管楽器は最初から個人練習だけでも上達できるのは間違いないと思います。

金管楽器も音列による唇のつくり方を覚えれば、後はピストンやロータリーの組み合わせの指使いを覚えれば練習できるので、楽譜に書いてある音と唇の状態、ピストン(ロータリー)の指使いを一致させていけば最初から個人練習だけで上達することは可能だと思います。

そして、木管楽器も金管楽器も、キーやピストン、ロータリーは基本的には手を軽く広げたくらいの範囲にありますよね?

少し乱暴な言い方ではありますが。

 

 

ところが、コントラバスはそれら管楽器とは全く違います。

左手は【人差し指―中指―小指】で押さえます。薬指は小指が弦を押さえるサポートとして小指と連動させますが、基礎練習に取り掛かるくらいの段階では、基本的には「音を押さえる」作業はしません。

人差し指、中指、小指それぞれの指の幅は半音ですが、距離で言うと6~7cmあります。

つまり、よほど手が大きくない限り、コントラバスを演奏する間左手を広げたままになります。

日常生活で「左手を大きく広げたままする作業」がどれだけあるでしょうか?

 

コントラバスは先に書いた左手の形を作れる様になって、かつ、それぞれの指が弦を指板にしっかりと押し当てられるようにならなければいけません。慣れないうちは特に小指で弦をしっかりと指板に押し当てるのは指の力が弦の張力に負けてしまうため、難しいと思います。

 

弦が4本、左手で押さえられる音はそれぞれ3つ。 4かける3=12。

つまり、良い形で左手で押さえられたならば、左手の位置(これをポジションと言います)一か所につき12個の音を押さえる事ができます。

その反面、左手の位置によって押さえられる12個の音の組み合わせが変わります

 

また、「一つの場所では半音2つ分の幅しか取れない」という物理的な都合上、半音階を弾くときや、部活で良く練習するスケール練習でも調によってはポジションを動かさないと演奏できない事が多いです。

 

ポジションを意識して練習すると最終的には左手の移動が少なくて済んだり、楽譜上跳躍している音も自信を持って押さえられるようになる

場面がとても多くなります。

 

さらに、前後の関係で指使いが決まるので、「ド」の音を押さえるにしても場合によっては人差し指だったり中指だったり、小指だったりします。

 

つまり、

  ①弦楽器の運指表の見方がわかっているか?

  ②左手の形は正しいか?

  ③今自分の左手をおいているポジションで押さえられる12個の音を覚えているか?

  ④左手の指が弦を指板にしっかりと押し付けているか?

 

と、左手だけでもこれだけの事をチェックしなければいけないのです。

 

 

コントラバスは弦を押さえる力が足りない状態で弾くと、本来しっかりと同じ場所を押さえた時に出てくるピッチよりも低い音が鳴ります。

試しに楽器にチューナーを着けて、どこでも良いので音を押さえて弾いてみてください。

しっかりと押さえた時にはチューナーの音名表示とメーターの針はどうなっていますか?

次に指の場所は変えずに左手の力を緩めて弾いてみてください。チューナーの音名表示とメーターの針はどうなっていますか?

 

押さえる所が合っているのにただ聞こえてきたピッチが低いからと左手の位置を動かしてしまい、その状態で体が覚えてしまったら・・・

 

左手の力が充分についてしっかりと押弦できるようになった時には、その覚えた場所を弾くと「ピッチが高い」という現象が起きてしまうのです。

そうなってからもう一度基礎をやり直すのはそれまでよりも時間がかかります。

 

基礎レッスンを受けず左手がきちんと押さえられない段階で「高い、低い」の音程チェックばかりしてしまうと、左手の位置取りがぐちゃぐちゃになってしまいます。

 

 

このように自己流でなんとなく練習してしまうと、変な癖がついてしまう事が多いです。

 

楽器を初めて触るような段階で個人でここまでチェックするのはとても難しいですよね。

 

だからこそ、自己流の変な癖が着いてしまう前に講師の先生を呼んで学校でのパートレッスンを受けるか、自分で個人レッスンに通われる事をお勧めします。

 

 

 

 

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